黒夜同盟

「え? 首都に来る?」

黒夜同盟の4人は雷の術で捕縛された。文珠は極めて不服そうな顔をしていたが、負けは負けなのだ。
とりあえずこいつらは霊能力保安局にでも引き渡すとして、そういえば大河にも心配かけてたんだったな、ということを思い出した氷河は河鹿のこともあるので大河に連絡を取った。そうしたら大河が首都に来ると言うのだ。

「なんだっけ? 春寒本家の人?」
「そう、本家の次期当主で河鹿の兄だな」
「ふーん……妹を犯罪者にしたくないってことかな」
「うーん……まあそこまで大きな騒ぎになっていなかったしもみ消すのは簡単だろうけど……なんか文珠の名前に反応してたんだよな」
「あ〜まあ」

そういえば雷もなんか知っているようなそぶりがあったなぁと思い出した氷河はスマホで検索してみた。そうしたら一発ででてきた。

“最年少戦闘術者”。

昔、戦闘術者に年齢制限が設けられていなかった頃、文珠は戦闘術者をやっていたらしい。氷河が雷と出会う前の話だった。
それがなぜ戦闘術者を嫌うようになってしまったのかよくわからないが。まあ現在は戦闘術者をやっていないようだし、なんか色々あったのだろう。別に興味はない。

大河が来るまでの間、黒夜同盟の4人は氷河の家に預かることになった。
英莉と伶莉は、名字は真城といい16歳だという。一体どういう境遇なのだろう……と氷河も気になっていたが、既に両親が亡くなっており、なんらかの事情で保護を受けられず河原でホームレスをやっていたという。

(そりゃあんな風にもなるか)

生きていくために獣を捕まえるなどしていたので、霊力指数が鍛えられ、能力らしきものにも目覚めたという。極限環境で能力が目覚めるとう話は時々聞く話だ。
その話を聞いた氷河の両親は即座に「うちで暮らしなさい!」と、言った。

「いやちょ……まて」
「何が不満なの氷河? うちにはお金もあるし、部屋も有り余ってるし、なんなら雷さんもうちで暮らしてるようなものでしょ。今更2人くらいどうってことない」
「雷は住んでないからな??」

確かに春寒家に入り浸ってはいるが。
姉妹――特に英莉は最初、大人は信用できない……という顔で悪態をついていたが、食事をとってふわふわのベッドで寝てから態度が一変した。それを見た文珠は眉間に皺を寄せながら「ほら見ろ……」と呟いた。文珠の実家にも連絡は行っていたが、文珠は帰宅を拒否したため大河が来るまで待機することになっていた。

氷河の両親は、姉妹に養子にならないかと声をかけたが、そこで英莉が気まずそうに口を開いた。

「あの……私たち書類上は多分すでに死んでて……」

暇そうにソファでだらだらしていた雷はその発言を聞いてほぉ? と目を光らせていた。

「おい、変な詮索はやめとけよ」
「詮索というか……ちょっと記憶に引っかかることがあっただけだよ」
「えぇ〜?」

姉妹の処遇は大河が来るまで待つことになった。
ちなみに河鹿は既に本家に送還されることが決定している。